チェーンローダーに Multiple Boot Manager(MBM)を使う理由
マルチブートマネージャー(MBM)とは
“ マルチブートマネージャ 2008.10.29
複数のOSがインストールされている環境で、起動時にどの区画から起動するか選択する制御プログラム(ブート・マネージャ)です。論理区画や 2台目以降のドライブからの起動も可能です。区画テーブルを編集して区画を作成するエディタも組み込まれています。R0.39からライセンス条件を GNU GPLとしました。”
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上記は MBM作者のサイト(下記リンク) よりの引用です。
えるむ by ChaN http://elm-chan.org/fsw.html
チェーンローダーに MBM を使う理由
マルチブート環境を構築後、各OSの起動にはフリーウェアの「Multipule Boot Manager」(MBM)を使用して各OSのブートローダーをチェーンロードします。これは各OSをそれぞれ独立させて相互に影響を受けない構造にするためです。
例えば各OSをインストールした後、各OSのブートローダー BCDおよびGRUBの設定ファイル編集がいっさい不要になります。つまりマルチブート構築後新たにHDDやSSDを増設して OSをインストールしても、或いは OSを削除しても設定ファイルの編集は不要と言う事です。
ブートロダー設定ファイルの編集で1文字でもタイプミスしたりスペースを入れ忘れたりするとOSは起動しません。MBMをチェーンローダーに使用する事でこの面倒かつ煩雑でリスクを伴う編集を回避することが出来ます。
下記は所謂「2段階ブート」によるOS起動の概念です。各OSがそれぞれ完全に独立しているのでマルチブートの構築や管理が効率的で容易です
2段階ブートの概念:HDD1台
PC電源on → BIOS起動
↓
MBM起動(OS選択)→ GRUB → Linux OS起動
↓
NTローダー → windowsOS起動
下記は HDD4台に各々OSがある場合の 2段階ブートの概念です。
2段階ブートの概念:HDD4台
PC電源on → BIOS起動
↓
GRUB ← HDD2 ← HDD1-MBM起動(OS選択) → HDD3 → GRUB
↓ ↓ ↓
NTローダー HDD4 → GRUB NTローダー
↓
NTローダー
HDD4台全てに MBMをインストールする事で HDD1の MBMによる OS起動やOS名の変更など一括管理が出来ます。もちろん SSDにおいても同様です。
MBM 使用上の注意
MBMを使用出来るファームウェアは Legacy BIOSです。UEFIでの使用は出来ません。
Legacy BIOS をサポートするマザーボードは Intel® 400シリーズ チップセット(Core™ プロセッサ第10世代)までです。500シリーズ(Core プロセッサ第11世代)以降廃止されました。
MBMが認識できるストレージデバイス(HDD、SSD)は合計4台です。
MBMは USB接続のストレージデバイスを認識しますがインストールは出来ません。
MBMにはパーティショニングツール(Partition Table Editor)が同梱されています。しかし、その仕様は古くHDDの物理セクターサイズを512バイトで想定し、パーティション境界をシリンダ単位で区切っています。
ところが現在の SSDや 4K-HDDは、物理セクターサイズが 4096バイトでありパーティション境界はセクター単位で区切っているのでシリンダ単位で区切ったパーティション境界とは一致しません。
従ってMBMの Partition Table Editorはセクター単位で区切られたパーティション境界を検出することが出来ずエラーを吐く事になります。
下の画像は Windows7インストール済み SSDを MBMの Partition Table Editor が認識した状態の写真です。
「Error:Partitioning rule violation.(パーティション規則違反)」と表示されています。
つまりMBMの Partition Table Editor は4096バイトセクターのSSDや HDDを正確に検出できないと思われます。
SSDは基より最近のHDDは、ほぼ 4096バイトセクター(4K、AFT、ビッグセクター等の名称)に移行しているので MBM同梱のパーティショニングツールは使用しないほうが良いでしょう。
パーティション作成には最新バージョンのリリース間隔が早くGUI操作もCUI操作も出来る GParted の使用をお勧めします。
マルチブートに関する用語解説
マルチブート構築をする前に次のリンク先を読んでおくことをお勧めします。長文記事のページですが役に立つと思います。
Linux の 101 試験対策 ブート・マネージャーのインストール
解説内容は Linuxベースで解説してありますが、OSブートのプロセスやその仕組みなど管理人が調べた解説の中でも分かりやすい方だと思います。