PCで遊んだ日々の備忘録

Making PC and Customization PC

ASUS EeePC 1025C のカスタマイズ

ASUS EeePC 1025C(以降1025C)は物理2コア4スレッドCPUを搭載した 10.1インチモデルの最終型で2012年3月の発売でした。

つい最近(2016年2月)中古パソコンのネットショップで販売されてる 1025Cを発見したので購入しました。購入価格は OS付き・ユーザーマニュアル付き・箱付きという事で税込18,600円です。

中古品ということで意匠面とモニタ画面に少し擦りキズがありましたがヘタリや退色はなく中古品としては程度の良い部類だと思います。OSは初期化された Windows7 Starterがインストールされておりリカバリーパーティションも残っていました。

そしてこれはメモリーモジュールを換装するため ネットブック本体を分解した時に分かった事ですがこの1025Cは以前に分解されマザーボードを取外した痕跡がありました。

EeePC 1025C view.1

eeepcの画像1

EeePC 1025C view.2

eeepcの画像2

 

期化された Windows 7 Starterの更新プログラム(およそ300個)のインストールに6日間を要しました。原因はメモリー不足のため1度にインストールの完了する数が変動するため小分けにした事と更新プログラムをスキャンするのにひどく時間が掛かったためです。本当に辟易しますね。

この様な事は二度と御免なので更新プログラムのインストール完了後に有料バックアップアプリを使ってパーティションごとバックアップイメージファイルを作成しました。イメージバックアップアプリ|Acronis True Image Home 2012

1025Cに搭載されているCPUは Intel® Atom™ N2800で64bitに対応しています。システムメモリーのサポートは 4GBです。ところが 1025Cでは BIOSで 32bitに固定されていて64bitは使用出来ません。さらにシステムメモリーはOS(Windows7 Starter)の制限で2GBまでしか使用出来ません。

そこで今回は メモリーモジュールを 4GBに換装し、これを生かすため Linux OS(デストリビュージョン)を追加しました(2016/04)

 

1025C 主な仕様(購入時)

|CPU

  • プロセッサ:Intel Atom N2800 1.86GHz
 
  • アーキテクチャ:Intel 64
  • パッケージタイプ:Micro-FCBGA11
  • チップセット:intel NM10 Express
  • L2キャッシュ:512KBx2
  • 最大TDP:6.5W
  • ソケット:FCBGA559
  • Tcase(ケース許容温度):100℃
  • コア / スレッド:2 / 4

|メモリーモジュール

  • メモリースロット数 / 最大メモリー:1 / 4GB(2GB・Windows7 Starter)
  • メモリー規格:DDR3 SDRAM:non-ECC Unbuffered・1066MHz
  • メモリーインターフェイス:SO-DIMM 204-pin
  • メモリーモジュール規格:PC3-8500

|その他

  • システムBIOSバージョン:0801
  • HDD:Western Digital WD3200BPVT
    • Serial ATA 3.0Gb/s・320GB・5,400rpm・9.5mm
  • ディスプレイ:10.1inch
  • オプティカルドライブ:なし
  • ビデオチップ:Intel GMA 3650
  • 解像度:WSVGA(1024x600)
  • 有線ネットワーク:100BASE-TX /10BASE-T イーサネット・コントローラ
  • 無線ネットワーク
    • LAN:IEEE802.11b/g/n
    • WiMAX:IEEE802.16e-2005 準拠
  • 消費電力 :最大約27.74W
  • 本体サイズ:262×178×高さ34.4mm・1.25kg
  • OS:Windows7 Starter Service Pack 1(32bit)
  • 2012年3月発売

Linux OS の追加

Windows 7 Starterをそのまま残して新たに追加した Linux OS(ディストリビュージョン)は CPUがデュアルコアでシステムメモリーが 4GB実装ということで Ubuntu 14.04LTS 32bit版にしようと思いインストールました。

ところが Ubuntu 14.04LTSは 1025Cのオンボードグラフィックスメディアアクセラレータ Intel GMA3650(PowerVR SGX545 開発コード名 Cedarview)のドライバーをサポートしていない事が判明しました。

調査の結果 Ubuntu 12.04LTSの32bit版をインストールする事になりました。と言うよりそれしか選択肢はありませんでした。

「14.04LTS」とは 2014年4月にリリースされた Long Term Supportの略で長期サポート安定版となります。リリースから 5年後の 2019年4月までセキュリティやアプリケーションパッケージなどが無償でサポートされます。

2019年4月のサポート終了時点で次のバージョンである 16.04LTS が 2016年4月に、その次の 18.04LTS が 2018年4月にリリースされてるので 16.04LTS・18.04LTSとアップグレードして行けば 2023年4月までサポートが継続されます

なお OSを 32bit版にしたのは上述したように CPUは 64bitをサポートしているが BIOSで32bitに制限されているためです。ただASUS公式ではありませんがネット上には 1025Cで 64bitを使えるようにした BIOSが公開されていました。

しかし今回は CPUがサポートしている最大メモリーサイズは4GBであり グラフィックスドライバー(Cedarview)が 32bit版のみという制限があり、またシステムが正常動作する保障もないので 64bit-BIOSの導入は見送りました。

メモリーモジュール増設

SanMax DDR3-1333 主な仕様

  • 型番:SMD-N4GNP-13H
  • メモリー容量:4GB
  • メモリー規格
    • DDR3 SDRAM
    • non-ECC Unbuffered
    • 1333MHz
  • メモリーインターフェイス
    • SO-DIMM 204-pin
  • モジュール規格: PC3-10600(DDR3-1333)
  • 搭載チップ:ELPIDA
 
Explanation

SanMax Technologies製 ELPIDAチップ搭載のメモリーモジュールです。新品です。(2011年11月発売)1025Cのメモリー仕様と違いますが下位互換があるので動作に問題ありません

ページの冒頭にも書きましたがWindows7 Starterの更新プログラムのインストールに手間取った原因がメモリー不足でした。しかしメモリーを増設したところでWindowsが認識するのは2GB(fig1)までなので後ほど Ubuntuを追加インストールします。

1025C上の Windows7 Starterは起動しただけで1GBを超えるメモリーリソースを消費するし Firefoxでのウェブブラウジングはもたつくしで日常的に使用するにはちょっと辛いものがあります。

そこで今回のメモリー増設と合わせて

  • ASUSサービスアプリの停止
  • その他の不要なプロセスの停止
  • ウイルスバスターの削除(体験版)
  • i-フィルターの削除(試用版)
  • Office 2010の削除(ライセンス切れ)
  • デスクトップのエフェクト停止
  • 更新プログラムの自動更新停止
  • Windows SuperFetchは有効のまま

を行った結果 670MB前後まで改善し システム容量も20GBへ減少しました。下の画像はタスクマネージャのスクリーンショットです。

 

そして今回のメモリー増設によって動作クロックも向上しました。(fig2,fig3)

さらに Windowsエクスペリエンスインデックスの値もメモリーが 0.1ポイントupしました。

システムプロパティの画像

fig1.システムプロパティ

CPU-Zの画像1

fig2.メモリー増設 前 2GB

CPU-Zの画像2

fig3.メモリー増設 後 4GB

fig.2,3で「Memory Slot Selection」の Slot#1 は何も表示されませんでした

以上の結果 Firefox・IE11とも起動時こそもたつきますが起動後のブラウジングはスムーズになりました。今回のメモリー増設は効果てきめんです。

メモリーモジュールを換装するためには ネットブック本体を分解する必要があります

Old Memory module

Silicon Power 主な仕様
  • 型番:SP002GBSTU106V02
  • メモリー容量:2GB
  • メモリー規格
    • DDR3 SDRAM
    • non-ECC Unbuffered
    • 1066MHz
  • メモリーインターフェイス
    • SO-DIMM 204-pin
  • モジュール規格: PC3-8500(DDR3-1066)
  • 搭載チップメーカー不明
 
Explanation

購入時 EeePC 1025Cに搭載されていた Silicon Power製のメモリーモジュールです。マザーボードが取外された痕跡があったのでオリジナルの物かどうかは不明です。メモリーチップNO.は ASUSのベンダーリストに入っていませんでした

マルチブート環境の構築 1-2

前のセクションで増設したメモリー4GBを有効利用するため Linux OS(ディストリビュージョン)の Ubuntu 32bit版を導入し Windows7 Starterとマルチブートします。

各々OSのブートローダーをチェーンロードするため HDDの MBR(Master Boot Record)に MBM(Multiple Boot Manager)をインストールします。インストール用メディアに CDまたはフロッピーディスクを使用するので USB接続の ODDまたは FDDが必要です。

使用するアプリケーションソフト

アプリケーションソフト名 使用目的及び一般的なメディア形態 費用
MBM(Multiple Boot Manager) チェーンローダー|CDブータブル 無料
GParted(GNOME Partition Editor) パーティションエディタ|USBブータブル 無料
Acronis True Image Home 2012 イメージバックアップ|USB or CDブータブル 有料

★ WindowsXPの「システムの復元」に数回失敗して以来、Windowsを信用できなくなったのでこのアプリを「OSに依存しない形」即ちブータブルメディアから起動して使用しています

 

HDDのパーティショニング

Windowsを保持したままパーティションサイズを変更します

このセクションではマルチブート構築の前準備としてHDDのパーティショニングを行います。使用するツールは

以前 USB3.0メモリーで作るOS付き動画再生モバイルストレージ のページで作成したUSBメモリースティック(下の写真)を使用します。

 

Ubuntuをインストールするには もう1本 USBメモリースティックを用意してこれをライブメディアに仕立てるか或いはライブDVDメディアを作成する方法があります。

ここでは USBメモリースティックを使います。

写真の USBメモリースティックには Ubuntu 14.04LTSベースの WattOS R9 32bit版をインストールしています。名付けて SanDisk Extreme PRO 128GB with WattOS R9 x86

下の画像は WattOS R9のデスクトップのスクリーンショットですがアイコンテーマやドックランチャーなどカスタマイズしているのでオリジナルのデスクトップとはかなり違っています

 
 

れではまず現在のパーティションの状態を確認します。上述の USBメモリースティック(以降 USBメモリー)を 1025Cに挿して電源を入れるとGRUBメニュー画面が表示されるのでEnterでWattOS R9 x86(以降WattOS)が起動します。

もしもGRUBメニュー画面が表示されない場合は1025Cを再起動して、EeePCのスプラッシュ画面が表示されている間に Esc キーを押します。

すると fig4 のように Bootデバイスの選択メニューが表示されるので SandDisk ExtremePro を選択します。その下の UEFI:SandDisk ExtremePro はファームウェアが UEFIの場合選択しますが 1025Cは Legacy BIOSなのでこちらは起動しません。

WattOSのデスクトップが起動したらログインしてパーティションエディター Gparted を開いて見ると第4パーティションのファイルシステムが不明になっています(fig5)そこで端末エミュレータ(以降端末)から

 $ sudo fdisk -l /dev/sda

を実行した結果を見ると第4パーティションは EFIシステムパーティションになっています(fig6)これは OS起動時間短縮用の Boot Boosterが使用するパーティションだそうです。

BIOSの画像1

fig4. Boot Device Menu

BIOSの画像2

fig5. 現在の状態 1

BIOSの画像3

fig6. 現在の状態 2

 

在のパーティションの構成は

パーティションの構成変更前

HDD|セクターサイズ(論理 / 物理)512bytes / 4096bytes

パーティションテーブル:MBR システム ファイルシステム フラグ
第1パーティション(100GiB) Windows 7 Starter NTFS boot
第2パーティション(15GiB) System Recovery FAT32 hidden
第3パーティション(183GiB) データ保存領域 NTFS -
第4パーティション(16MiB) EFIシステム FAT-12/16/32 -

のようになっているのでこれを

パーティションの構成変更後

HDD|セクターサイズ(論理 / 物理)512bytes / 4096bytes

パーティションテーブル:MBR システム ファイルシステム フラグ
ブートストラップローダ Multiple Boot Manager - -
第1パーティション(60GiB) Windows 7 Starter NTFS boot
第2パーティション(15GiB) System Recovery FAT32 hidden
第3パーティション(拡張) - - -
 第5パーティション(40GiB) Ubuntu 14.04LTS x86 EXT4 -
 第6パーティション(6GiB) SWAP Linux-swap -
 第7パーティション(177GiB) データ保存領域 NTFS -
第4パーティション(16MiB) EFIシステム FAT-12/16/32 -

のように変更し Ubuntuのインストール領域とスワップ領域を確保します。

1 GiB(2進表記)= 1.07374 GB(10進表記)|e.g. 100 GiB ≅ 107.4 GB となり実効値(2進表記)より大きい値になるため商用には GB が用いられる

パーティショニングを実行する前に Windows7・リカバリー・EFIの各パーティションのイメージバックアップファイルを必ず作成しておきます。パーティション破損のリスクがあります。

下の画像は WattOS上の GParted を使用して以下の 1. ~ 13. を行った結果のスクリーンショットです。

 
  1. GParted を起動する
  2. 現在の第1パーティション 100GiB を 60GiB にリサイズする
  3. 残った40GiB分が未割当のパーティションになる
  4. 現在の第2と第3パーティションを削除すると 上記3.項の40GiBも合わせて1つの未割当パーティションになる
  5. 新規に第2パーティション(システムリカバリー用)15GiBを設定する
  6. 新規に第3パーティションを「基本」から「拡張」に変更する
  7. 新規の第3パーティション(拡張)内に第5・第6パーティション(Ubuntu用・スワップ用)をそれぞれ 40GiB・6GiB設定する
  8. 新規の第3パーティション(拡張)内に第7パーティション(データ保存用)を設定する
  9. 現在の第4パーティションは何もしない
  1. これで設定終了だがまだ HDDはパーティショニングされていないのでキャンセルしたい時はここで行う
  2. ✔ アイコンをクリックして設定を実行
  3. パーティション作成完了後パソコンシャットダウン電源OFF
  4. 事前に Acronis True Image Home 2012で作成しておいたシステムリカバリーのバックアップイメージを第2パーティションにレストア(復元)する

これで Ubuntuをインストールするパーティション40GiBが作成されました。以上で HDDのパーティショニングの完了です。

パーティショニング後 Windows7 Starterを起動すると CHKDSK が入ります(約10分)パーティションサイズ 100GiB を 60GiB に縮小したためです。下記のように CHKDSK が正常終了するとパソコンは自動的に再起動し Windows7 Starter が通常起動します。

Checking file system on C:
CHKDSK is verifying file(stage 1 of 3)
  File verification completed
CHKDSK is verifying indexes(stage 2 of 3)
  Index verification completed
CHKDSK is verifying security descriptors(stage 3 of 3)
  Security verification completed

以下省略
 

マルチブート環境の構築 2-2

次にフリーウェアの MBMを HDDの MBR(Master Boot Record)にインストールして各OSのブートローダーをチェーンロードします。これは各OSをそれぞれ独立させて相互に影響を受けない構造にするためです。

例えば各OSをインストールした後、各OSのブートローダー BCD・GRUB 等の設定ファイル編集が一切不要になります。つまりマルチブート構築後新たにパーティションを追加してOSをインストールしても、或いは OSを削除しても設定ファイルの編集は不要となりOSが起動しないリスクを減らします。

下記は いわゆる「2段階ブート」によるOS起動の流れです。各OSがそれぞれ完全に独立しているのでマルチブートの構築や管理が効率的で容易です。

2段階ブートの概念:HDD1台
  PC電源on → BIOS起動
              ↓
        MBM起動(OS選択)→ GRUB → Linux OS起動 
              ↓
              NTローダー → windowsOS起動
 

マルチブートマネージャー MBMのインストール

MBMは Ubuntuをインストールする前にブータブルCDからインストールします。こちらのマルチ・ブート・マネージャのサイトでISOイメージが配布されています

  1. シャットダウンして電源OFF後 ODD(光学ドライブ)接続
  2. 電源ONしてデバイスメニューを起動しブータブルCDをセットして ODDを選択
  3. MBMのメニュー画面から HDDの MBRにインストールする(fig7黄色部分を入力)
  4. インストール完了メッセージが表示されたらCDを取出してパソコン再起動後OS選択メニューのOS名称をリネームする(fig8,9)

mbmの画像1

fig7. 機能選択メニュー

mbmの画像2

fig8. OS選択メニュー1

mbmの画像3

fig9. OS選択メニュー2

  1. 各OSのブートローダー BCDおよび GRUBの編集をする必要はない

以上でマルチブートマネージャー MBMのインストール完了です。なお MBM が Windowsローダーを上書きすることはありません。

マルチブートマネージャー MBMのインストール動画

この動画は VirtualBox 上で下記の模様をビデオキャプチャーしたものです。全画面表示で御覧下さい(再生時間はカット編集しているので実際の時間ではありません)

video1

内容|MBMインストール・OS名称リネーム・Ubuntu Server起動・CUI ログイン

 

ライブUSBメモリーの作成

Ubuntu の配布サイトからダウンロードした ISOイメージファイルをUSBメモリースティックに書き込んでライブUSBメモリーを作成します。

 

なお当方の環境で 1GBのISOイメージファイルのダウンロードに掛かった時間は約3分でした。理研のミラーサイトがお勧めです

Download ☛ ubuntu-14.04.4-desktop-i386.iso & MD5SUM

Download ☛ ubuntu-14.04.4-server-i386.iso

ダウンロードした ISOイメージファイルはMD5を照合の後 UNetbootin を使ってUSBメモリーに書込みます。その方法は下記ページを参照して下さい。

Puppy Linux ライブUSBメモリーの作成

このリンク先では EeePC 1005HA上の Xubuntuから Puppy Linuxの ISOイメージファイルを書き込んでいます。Ubuntuの ライブUSBメモリーも同じ手順で作成します。

GParted のライブメディアを作成

このリンク先では UNetbootinに加え、マニュアル(ddコマンド)による書込み方法を掲載しています。

そして出来あがったライブUSBメモリーから 1025Cの HDD第5パーティションに Ubuntu をインストールします。

MD5SUMの照合

ダウンロードした ISOイメージファイルが破損や改竄されていない事を確認するため、一緒にダウンロードした MD5SUMと ISOイメージファイルから生成した MD5SUMの値を比較します。

ISOイメージファイルの MD5SUMは ISOイメージマウントアプリ Furius ISO Mount Tool を使って生成し、ダウンロードした MD5SUMの値と照合してその値が一致していればOKです。

下記のスクリーンショットは Lubuntuの ISOイメージですが手順は同じです

Furius ISO Mount Toolの画像1

fig10.Furius ISO Mount T.

Furius ISO Mount Toolの画像2

fig11. ISO image Mount

Furius ISO Mount Toolの画像3

fig12. CheckSum

 

以上でライブUSBメモリーの作成完了です。

NEWS

2016年2月20日 Linux Mintのウェブサイトがクラックされ、ダウンロードリンクを改竄してバックドアを組込んだ ISOイメージファイルをダウンロードさせると言う事件が起きました。

「Linux Mint」のウェブサイトが改ざん被害に--ISOファイルにバックドア

この事件の 3日後クラッカー本人のインタビュー記事が出ていました。彼はチェックサムのハッシュ値を改竄しなかった理由について「どのみち、チェックサムを調べるユーザーなんかいない」と述べています。

「Linux Mint」にバックドアを仕込んだハッカー、手口と目的を語る

彼は人の心理の脆弱性も心得ていたようですね。


 

Ubuntu 14.04LTS 32-bitのインストール

Linuxディストリビュージョンの1つであるUbuntu のデフォルトのユーザーインターフェース(デスクトップ環境)は Unity です。

インストール先の 1025C が 2コアCPU・システムメモリー4GBを実装しているので Ubuntu-Desktopをインストールしました。

Ubuntu Dsktop 主な仕様

下の画像はデフォルトのデスクトップのスクリーンショットです

 
  • コードネーム Trusty Tahr
  • 64bit|x86_64 PC
  • 32bit|x86 and x86_64 PC, with PAE(Physical Address Extensions)
  • kernel 4.2.0
  • 無料
  • 推奨動作環境
    • Dual Core processor with 1 GB of RAM
    • 10GB of HDD or SSD
    • Graphics with OpenGL 1.4・Intel GMA 900以降
    • Internet access
  • セキュリティサポート:2019年4月終了

インストール

前セクションで作成したライブUSBメモリーを挿した状態で1025Cの電源を入れると UNetbootinのメニュー画面が表示される(fig13)ので Default のまま暫らく待つと Ubuntuのライブセッションが起動します。

しかしここで Default ではなく Install Ubuntu を選択すれば直接インストーラーが起動します(fig14,15)

Furius ISO Mount Toolの画像1

fig13.ライブUSBメモリー

Furius ISO Mount Toolの画像2

fig14. Install Lubuntu

Furius ISO Mount Toolの画像3

fig15.インストーラー起動

 

ここで注意することはブートローダーGRUB2のインストール先です。GRUB2のインストール先は MBR ではなく Ubuntu-Desktopをインストールする第5パーティション(/dev/sda5)の PBR(Partition Boot Record)です。

その理由は「マルチブート環境の構築 2-2」で述べた通り 管理・カスタマイズ性に優れているためです。

もしも誤って MBRに GRUB2をインストールしてしまった時は 再度 MBM を MBRにインストールし「SuperGRUB2」のライブメディアを使って Ubuntuを起動(video2 参照)して第5パーティションの PBRに下記コマンドで GRUB2をインストールすれはOKです。端末から

 $ sudo grub-install --force /dev/sda5

の動画は VirtualBox 上で下記の模様をビデオキャプチャーしたものです。全画面表示で御覧下さい(再生時間はカット編集しているので実際の時間ではありません)

video2

内容|SuperGRUB2 で Ubuntu Serverを起動・GRUBインストール

 

VirtualBoxのビデオキャプチャーにカーソルを表示するには

参考までに_ EeePC 1025Cに Ubuntu-Desktopをインストールする前に VirtuallBox(サブPC)上で Ubuntu-Serverと Minimal CD Ubuntuをインストールした後 Desktopをインストールしてみたら下表のようになりました

Ubuntu Desktop 32-bit kernel 4.2.0 HDD 使用量 : 4.09GB
Ubuntu Server 32-bit + Desktop kernel 4.2.0 HDD 使用量 : 4.09GB
Minimal CD Ubuntu 64-bit + Desktop kernel 3.13.0 HDD 使用量 : 3.9GB

Minimal CD Ubuntuの 32-bitは何故かミラーサーバーダウンロードエラーでインストール出来なかった

以上で Ubuntu 14.04LTSのインストール完了です。

しかしページ冒頭で記述したように Ubuntu 14.04LTSは 1025C(Atom N2800 Intel GMA3650)のグラフィックスドライバー(CedarView)をサポートしていないので極端に動作が遅く、例えば ダッシュを開くのに5秒ほどかかるといった具合でとても実用に耐えません。

そこで次のセクションでグラフィックスドライバーをサポートしていた Ubuntu 12.04LTSにダウングレードしました。

Ubuntu 12.04LTS にダウングレード

Intel GMA3650 ドライバー Cedarview を導入

前のセクションでインストールした Ubuntu 14.04LTSは 1025Cには動作が重すぎて日常的に使えるものではありませんでした。実はその前に Ubuntu公式フレーバーである Xubuntu 14.04LTSと Lubuntu 14.04LTSをインストールしていました。

どちらもウェブブラウジングなど日常使う分には支障なく、特に Lubuntuは Firefoxを除けば軽快でした。しかし肝心のローカルや映像サーバー上の HD動画再生においては見るに堪えない状態であり、やはり Intelグラフィックスアクセラレータの必要性を痛感しました。

しかし 14.04LTSのバージョンでは既に Intel GMA3650 のドライバーである「Cedarview」はサポートしておらず更に Non-PAEカーネルでなければ動作しないとの事。ネット検索してみると海外も含め何れも3年以上前の情報ではありますが Ubutnu 12.04・12.10で導入出来る模様でした。

そこで 2016年3月現在入手可能なバージョンは 12.04.0LTS~12.04.5LTSなのでこの中から 12.04.05LTSを選択しました。そして Cedarviewをインストールすることが出来ました。

12.04.0~12.04.4 は Old Ubuntu Releases で入手できます

12.04.05LTSのサポートリリースは2017年4月で EOL(End Of Life)ですがサポート終了後も使い続けます。

12.04.0~12.04.5 カーネルサポート期限

下記は2016年9月現在の Ubuntu 12.04.x LTSのサポート期限 です。

12.04.0(kernel 3. 2.0) 2017年4月
12.04.1(kernel 3. 2.0) 2017年4月
12.04.2(kernel 3. 5.0) 2014年4月
12.04.3(kernel 3. 8.0) 2014年4月
12.04.4(kernel 3.11.0) 2014年4月
12.04.5(kernel 3.13.0) 2017年4月

今回 12.04.5をインストールしますがカーネルのバージョンは non-PAE kernel 3.2.0でなければいけません。これ以外のバージョンですと Cedarviewを導入出来ません。

Ubuntu 12.04LTS EMS - 拡張セキュリティメンテナンス

EOL後のセキュリティメンテナンスをサポートするサービスですが有償であり契約が必要です。

Ubuntu 12.04 Extended Security Maintenance

Ubuntu Dsktop 主な仕様

下の画像は 12.04.5LTS デフォルトのデスクトップのスクリーンショットです。1025Cでは Unity-2Dとなります。

 
  • コードネーム Precise Pangolin
  • 64bit|x86_64 PC
  • 32bit|x86 and x86_64 PC, with PAE
  • kernel 3.2.0
  • 無料
  • 推奨動作環境
    • Dual Core processor with 1 GB of RAM
    • 10GB of HDD or SSD
    • Graphics with OpenGL 1.4・Intel GMA 900以降
    • Internet access
  • セキュリティサポート:2017年4月終了

Cedarview のインストール

今回のグラフィックスドライバーのインストールは下記のサイトを参考に実施しました。インストール終盤の設定は当方の環境だけかもしれません。

Ubuntu日本語フォーラム「Ubuntu12.04が起動できないー#41」

Ubuntu 12.04 3600 GMA Driver for Intel(Cedarview)

まずは Ubuntu 12.04.5LTSをインストールし apt-get update・apt-get dist-upgrade は行わず下記の手順で実行しました。

  1. /etc/default/grub の編集
  2. Synapticパッケージマネージャーをインストール
  3. non-PAEの kernel をインストール
  4. Grub Customizerをインストール
  5. 上記 4.を使用し non-PAE kernel を PAE kernel の上位に置く
  6. パソコン再起動・non-PAE kernel でログイン
  7. PAE kernel 関連パッケージを削除
  8. Cedarview ドライバーをインストール
  9. パソコン再起動・non-PAE kernel でログイン
  1. X サーバーを再インストール
  2. 3Dレンダリング AIGLX 設定変更
  3. /etc/default/grub を再編集
  4. Cedarview 適用確認後パーティション丸ごとバックアップ
 

/etc/X11/xorg.conf は作成していない(元々ない)

✔ Cedarview インストール後 kernel をバージョンアップしてみると ...(2016/05)

以下 上記手順の詳細

1. /etc/default/grub の編集

kernel起動オプション KMS の無効化と Windows7 Starterを GRUBメニューエントリーから非表示にする

 $ sudo nano /etc/default/grub

を実行し下記のように編集(下画像)

 
GRUB_TIMEOUT="5"
#GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="quiet splash"
GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="nomodeset"
GRUB_CMDLINE_LINUX="nomodeset"
GRUB_TERMINAL="console"
GRUB_DISABLE_OS_PROBER="true"
 
 $ sudo update-grub
 
2. Synapticパッケージマネージャーをインストール

PAE kernel 関連のパッケージを削除するのに使います。

 $ sudo apt-get install synaptic

を実行

3. non-PAE kernel をインストール

最新バージョンの generic kernelがインストールされます。

 $ sudo apt-get install linux-headers-generic linux-image-generic

を実行すると Ubuntu,with Linux 3.2.0-101-generic が GRUBメニューエントリーに表示される。

4. Grub Customizerをインストール

non-PAE kernel を GRUBエントリーメニューの先頭に配置するのに使います。コマンドラインからでも出来るのでお好みでどうぞ。

 $ sudo add-apt-repository ppa:danielrichter2007/grub-customizer
 $ sudo apt-get update
 $ sudo apt-get install grub-customizer

を実行

5. Grub Customizerを使用する

4.でインストールした Grub Customizerを使って 3.でインストールした non-PAE kernel を PAE kernel の上位に置く(下の画像は PAE kernelを削除した後のスクリーンショットです)

 

コマンドラインから設定した場合ここの手順は不要

6. パソコン再起動

GRUBメニューエントリーの Ubuntu,with Linux 3.2.0-101-generic を選択してログインする

7. PAE kernel 関連パッケージを削除

2.でインストールした Synapticパッケージマネージャーを起動しクイック検索に「linux-generic-pae」と入力して表示されたパッケージを全て削除します。

8. Cedarview ドライバーをインストール
 $ sudo add-apt-repository ppa:sarvatt/cedarview
 $ sudo apt-get install add-apt-key
 $ sudo add-apt-key 0x4c96de60854c4636
 $ sudo apt-get update
 $ sudo apt-get install cedarview-drm libva-cedarview-vaapi-driver cedarview-graphics-drivers

を実行

9. パソコン再起動

GRUBメニューエントリーの Ubuntu,with Linux 3.2.0-101-generic を選択してログインする。これでインストール完了と思いきや端末から glxinfo と glxgears を実行してみるとなんと全てエラー!(下の画像)

 
10. Xサーバーを再インストール

確信もなく Xサーバーを再インストールしてみる

 $ sudo apt-get remove --purge xserver-xorg
 $ sudo apt-get install xserver-xorg

を実行しパソコン再起動するとエラーは治まって安心していたら今度は何とインストールしたはずの Cedarviewが適用されていない事に気が付く(fig16)

11. 3Dレンダリング AIGLX 設定変更

ネット検索した結果「Cedarviewのインストール後 61-cdv-pvr.conf のオプション AIGLX を AIGLX="off" にする(3Dレンダリングをオフ)」となっていたので確認するとすでに "off" になっていました(fig17)

ここで万事休すと明らめかけた時なんとなく

 $ sudo nano /usr/share/intel-cdv/X11/xorg.conf.d/61-cdv-pvr.conf

で AIGLX="on" にしてパソコン再起動したら Cedarviewが適用されていました(fig18)メモリーが 2.9GiBなのは non-PAE kernelで扱えるのが 3GBまでのため

Furius ISO Mount Toolの画像1

fig16. Cedarview 未適用

Furius ISO Mount Toolの画像2

fig17. AIGLX="off"

Furius ISO Mount Toolの画像3

fig18. Cedarview 適用

 

上で Intel GMA3650 ドライバー Cedarview のインストール完了です。試しに YouTube から下記 HD動画(1080p・130MB)をダウンロードして自宅内ネットワーク越しとローカルで再生してみるとどちらもデスクトップ同様ストレスなく再生されました。

  • 映像:H.264 / AVC MP4・1920 x 1080・29.97fps・30Mbps・YUV4:2:0
  • 音声:MPEG-4 AAC・16 bits・44100Hz・ステレオ

ただし当方の環境ではウェブブラウザ上の動画ストリーミングですとコマ落ちなく再生されるのは 480pまでで 720pHDになると停止や音ズレまでは行きませんが Windows7 Starterと比較してコマ落ちが酷くなりました。

Firefox の設定

下の画像は Firefoxの about:config のスクリーンショットです。

 

この設定をすることで YouTubeの HTML5 Videoプレーヤーのコマ落ち・音ズレが改善されます。

なお Firefoxをリフレッシュしたりバージョンアップしたりすると元に戻るのでその時は再設定の必要があります。

次に下記のフルHD動画(1080p・60fps・117MB)を再生してみたところネットワーク越し・ローカル共に視聴に耐えませんでした。

  • 映像:H.264 / AVC MP4・1920 x 1080・59.94fps・75Mbps・YUV4:2:0
  • 音声:MPEG-4 AAC・16 bits・44100Hz・ステレオ
12. /etc/default/grub を再編集

上記 1.で編集した /etc/default/grub の「nomodeset」を削除します。

GRUB_TIMEOUT="5"
GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="quiet splash"
GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT=""
GRUB_DISABLE_OS_PROBER="true"
 $ sudo update-grub
 
13. Cedarview 適用確認後パーティション丸ごとバックアップ

Cedarview 適用・動作確認ができたら Ubuntuをインストールしたパーティション(/div/sda5)丸ごとバックアップイメージファイルを作成しておきます。当方「マルチブート環境の構築 1-2」で用いたアプリで作成しました。

これは最低でも Windows7 Starterのサポートが終了する 2020年1月までは使い続けるための保険です。つまり Ubuntu 12.04LTSのサポートは 2017年4月で終了しますがこれは即ち Cedarviewのアプリケーションパッケージだけでなくその依存パッケージも入手出来なくなると言うことです。

そうなると Intelのサイトからダウンロードしたバイナリファイルを手動でインストール(所定の場所に配置)するかソースコンパイルしてインストールするしかありません。管理人には至難の業です。

Cedarviewインストール後 kernelバージョンアップしてみると ...

Cedarview のインストールからおよそ 1ヶ月後アプリケーションパッケージをアップデートすると kernel がアップグレードされていたのでバージョンアップしてみました。

端末から

 $ sudo apt-get update
 $ sudo apt-get dist-upgrade

を実行してパソコン再起動すると Ubuntu,with Linux 3.2.0-102-generic へバージョンアップします。

しかし GRUBのエントリーメニューの先頭は前バージョンである Ubuntu,with Linux 3.2.0-101-generic になっているのでこのままだとこのバージョンで起動してしまいます。

なので前述の 4.項でインストールした Grub Customizer を用いて Ubuntu,with Linux 3.2.0-102-generic を下の画像のように先頭に配置します。

 

もちろんグラフィックスドライバー Cedarview は引き継がれています。

なお Grub Customizer 下方に表示されている Ubuntu,with Linux 3.13.0-86-generic はテキストモードのみで動作します。このエントリーから削除すると右ペインに移動されパソコン起動時の GRUBメニューエントリーで非表示となります。

Ubuntu,with Linux 3.13.0-86-generic が必要なければ Synapticパッケージマネージャーからアンインストールします。

2017年4月現在のkernelバージョン

Ubuntu 12.04.5LTSの2017年4月現在のkernelバージョンは

  • Linux 3.2.0-126-generic

となっています。下の画像はデスクトップ(Linux 3.2.0-110-generic)のスクリーンショットです。

 
Ubuntu 12.04(Precise Pangolin )は 2017年4月28日で End of Lifeとなります

Ubuntu release end of life

雑感

今回メモリーモジュールを 4GBに換装したわけですが、その恩恵を 100%受ける事は出来ませんでした。いちばんの誤算は Linux用のグラフィックスドライバー「Cedarview」が Ubuntu 12.10以降サポートされてない事です。

さらに Cedarviewをインストールするための要件の1つが non-PAE kernelであることで、しかし当初予定していた Ubuntu 14.04LTSはこれを満たしていませんでした。

その結果 non-PAE kernel(システムメモリー3GBまで)をサポートしており、かつ 2016年3月現在入手可能な Ubuntuは 12.04LTSのみであり他に選択肢はありませんでした。

(下の画像は Ubuntu 12.04.5LTSデスクトップ Unity2Dのスクリーンショットです)

 

それでもまあ Windows7 Starterも Ubuntuも共に動作速度が改善したのは確かなのでこれで良しとしましょう。

Windows7 Starterではグラフィックスドライバーをバージョンアップして電源オプションを「高パフォーマンス」に設定すると YouTubeの 720pHDの再生が時々コマ落ちする程度で視聴できました。

Microsoftから Windows7 Starterを Windows10 へアップグレードする様に要求してきますがこれはダメです。Intel GMA3650搭載 EeePC 1025Cのグラフィックスドライバーは Windows7 32bit向けのみですから。

グラフィックス以外のドライバー類も Windows7用のみなので Windows10にアップグレードした途端に殆ど使いものにならなくなるでしょう。

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