PCで遊んだ日々の備忘録

Making PC and Customization PC

Windows XP , 7, 10, Ubuntu で共用する GTX 780Ti / GTX 960

Windows XP、7、10、Ubuntu のマルチブート環境で共用できるグラフィクスボード Geforce® GTX 780Ti と GTX 960 を取り付けてみました。いずれも中古品ですが各OSで正常に動作しています。

Windows XP で使用出来る最上位のグラフィックスボード(以降グラボ)は GTX 960 ですが、実質性能最上位のグラボは GTX 780Ti です。下の画像は今回購入した msi製のグラボをパソコンに取り付けた写真です。

 

下の画像は Palit製 GTX 960 の写真です。結果的にこのグラボを使うことになりました。

 

これらのグラボに換装する前は中古の GTX 1060 で、Windows XP 用のドライバーは存在しないため使えない状態のまま放置していました。Windows 7で目的は果たせていたので。

しかし、どうしても XPを使わざるを得ない状況になったため今回の換装に至った次第です。(2021年4月)


PC環境

グラボを換装する前の PC環境 です。

  • PC:HP XW8400 workstation
  • CPU:Intel® Xeon® X5365(クアッドコア 2プロセッサ)
  • 実装RAM:16GB(DDR2 ECC Registered DIMM)
  • 電源定格出力:800W
  • SSD 1(システム 1):120GB
    • Windows 10 Pro 20H2 64-bit
  • SSD 2(システム 2):250GB
    • Windows 7 Pro sp1 64-bit
    • Windows XP Pro sp3 32-bit(AHCIモード、オフライン)
    • Ubuntu 18.04 LTS 64-bit
    • Ubuntu 16.04 LTS 64-bit
  • HDD 1(データ共有):1TB(500GB+500GB, RAID 0)
  • HDD 2(データ共有):1TB

今回は、グラボのみの変更です。

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msi GeForce GTX 780Ti GAMING 3G

主な仕様
  • 型番:N780GTX-Ti Twin Frozr 4S OC
  • GPU:NVIDIA® GeForce® GTX 780Ti
  • ファミリー、チップ:第2世代 Kepler, GK110
  • メモリー容量:3,072MiB
  • メモリー規格:GDDR5
  • バスインターフェイス:PCI-Express 3.0 x16
  • バス幅:384bit
  • 消費電力:250W
  • 補助電源:8Pin + 6Pin
  • 推奨電源:600W
  • CUDAコア:2,280unit
  • NVENC:Yes
  • NVDEC VP8 / VP9:No / No
  • 外形寸法:長266×幅129×高34 mm(2スロット占有)
  • 発売日:2013年11月

詳細仕様はこちら >>

Explanation

Windows XP で使えるゲーミング Geforceです。中古品を Amazon で購入(税込22,800円)しました。届いた商品の箱は退色しセロハンテープで補修してあり、何人かの手を渡ったようでかなり使い込まれている感じでした。

ところが開けて見るとキズどころかホコリ一つ付いていない、使用感のない新品かのようでした。箱をよく見ると「中古品ーほぼ新品」のシールが貼ってあり、注文履歴から商品ページを確認すると「展示品」と記載されていました。腑に落ちました。

もちろん 4つの OS上(Windows, Ubuntu)で正常に認識され、動作しています。

ドライバーとユーティリティは、付属の DVDのバージョンを Windows XP と 7にインストールしました。Windows 10 は DCH版ドライバーで問題ないことを確認後削除して試しに Standard版ドライバーをインストールしましたがドライバーを変える必要は特にありません。

Windows 10 のグラボ情報

Windows 10

Windows 7 のグラボ情報

Windows 7

Ubuntu 18.04 LTS のグラボ情報

Ubuntu 18.04 LTS

一つ残念なことは、以前の GTX 1060 は VP9デコードをサポートしており YouTubeの 4K/60fps 動画を視聴できたのですが、このグラボはサポートしていないことです。

ちなみに XPで使えて vp8 / vp9をサポートしている 700, 900シリーズは Maxwell第2世代 GM206チップの GTX 750, GTX 950, GTX 960(2015年~2016年発売)です。

GTX 750については第1世代 GM107搭載品とは発売日で見分けるしかありません。2021年4月現在ではもはや市場に出回っていないと思われます。

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Palit GeForce GTX 960 Super JetStream

主な仕様
  • 型番:NE5X960T1041-2060J
  • GPU:NVIDIA® GeForce® GTX 960
  • ファミリー、チップ:第2世代 Maxwell, GM206
  • メモリー容量:2,048MiB
  • メモリー規格:GDDR5
  • バスインターフェイス:PCI-Express 3.0 x16
  • バス幅:128bit
  • 消費電力:120W
  • 補助電源:1x 6Pin
  • 推奨電源:400W
  • CUDAコア:1,024unit
  • NVENC:Yes
  • NVDEC VP8 / VP9:Yes / Yes
  • 外形寸法:長247×幅126×高47 mm(3スロット占有)
  • 発売日:2015年 1月

詳細仕様はこちら >>

Explanation

Windows XP で使えるゲーミング Geforceです。中古品をネットオークションで購入(送料・税込15,700円)しました。発売から 6年以上経っていますが箱付きで目立った傷もなく、クリーニングも完璧でした。

GTX 780Tiに換装して当初の目的は果たしたのですが、Windows 10上で YouTubeの 4K/60fpsと一部の 8K/60fps動画を観るため購入しました。

4KとUHDの違い - 朋栄製品技術 基本解説 - 朋栄 - FOR-A

このグラボも 4つの OS上(Windows, Ubuntu)で正常に認識され、動作しています。ただし、Ubuntu を含む Linux OSで動画再生支援は動作しないので CPUに 100%近い負荷がかかります。

Windows XP と 7のドライバーは NVIDIAのサイトからダウンロードしてインストールしました。Windows 10 は GTX 780Tiの時インストールしたドライバーを使い、GEFORCE® EXPERIENCE で クリエイティブ アプリ向けの Studioドライバーに変更しました。

windows 10と 7の違いは DirectXのバージョンです。Ubuntu 18.04 LTSのドライバーはプロプライエタリーな nvidia-driver-460 です。

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PCの不具合を解消する

新しいグラボを挿し、ドライバーのインストールを終え 各Windowsを起動すると早速不具合が出ました。

現象と原因

  1. 起動中のスプラッシュ画面で Windows 10 の点々くるくるが、Windows 7のくるくるリングがカクカクしながら回転する
  2. サインイン画面で PINまたはパスワードを入力し Enterキー を押すと、同じパスワードが続けて入力される
  3. マウスカーソルを移動した時、不規則なタイミングで飛び跳ねる
  4. メディアプレイヤー(VLC, MPC)で動画を再生すると 2分前後で音声が歪む
  5. CPUで、特定のコアに負荷が集中する
  6. Windows XP では上記 の現象は起こらない

そこでグラボを挿し直したり、ドライバーのバージョンを変えてみたりと色々試してみましたが一向に解消の兆しが見えません。暫く上記の内容を眺めて Windows 10、7 と XP の違いを書き出してみると、

  • Windows 10と 7は 64-bitでXPは 32-bit
  • 有効メモリーは 16GB と 4GB
  • 有効メモリーモジュールの枚数は 2GBx8枚 と 2GBx2枚

どうやらメモリーモジュールに原因があるようで、つまり XPが使っている 2枚は正しく認識され残りの 6枚の中に不具合があるという事です。

実はこのパソコン(ワークステーション)のメモリーはシビアというかデリケートというか 一つ一つのモジュールを上手く挿さないと 8枚を認識してくれないのです。そもそもその 8枚を決定するのに 14枚のモジュールが必要だったことを思い出しました。

対処した事

原因がメモリーモジュールにあると推定したところで何ができるのかと考えた時に、サーバー用のメモリーモジュールがそう簡単に壊れるとは思えないので挿し直すことくらいしかありません。

メモリーモジュール

メモリーモジュール

メモリーモジュールをマザーボードに取付けた画像

メモリー実装

メモリーモジュール用冷却ファンの画像

メモリー冷却ファン

早速、全てのモジュールを取り外してみたところ基板とヒートスプレッダーの間にホコリが溜まっており、特に電源ユニット側(天板側)の 2枚に綿状になった物が詰まっていました。

これらを取り除き、慎重に元の同じ場所に挿し直して電源投入したところ何ともあっけなく不具合は解消しました。どうやら原因はこのホコリか、あるいはグラボ換装の際の振動か、はたまたその両方だと思われます。

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雑感|グラボ ダウングレードの理由

これまで Windows 7 上で Windows XP, Vista 向けのハードウェアエンコーダーを使ってトランスポートストリーム動画を PCに取り込んでいました。取り込んだ動画は Windows 10 もしくは 7 で CMカットやファイル連結などの荒編集を行い、本編集は別の PCで行います。

これが急に正常に動作しなくなりました。原因不明です。

そこで Windows 10 上で正常動作することを期待してドライバーとユーティリティ ソフトをインストールしてみました。10年近く前のインストールDVDは Windows 10 で実行できなかったのでISOイメージに変換してインストールしました。

しかし、いざ使ってみるとキャプチャー開始からおよそ15分ほどで停止し「応答なし」となりエクスプローラーが落ち Windowsがフリーズ、電源ボタン長押しで PC電源オフとなってしまいます。

当初はハードウェアエンコーダーの故障を疑いましたが手持ちの古いグラボを使い XP上で正常に動作することを確認しました。

そういう訳で 3つの Windowsで共用でき、かつ動画エンコード性能高く、そして出来れば Windows 10 上で YouTube の 4K/60fps動画をストレスなく再生できるグラボが必要になったのです。

要するに、動画の取り込みから荒編集までを 1台の PCで完結せんがための手段が ダウングレード でした。

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