PCで遊んだ日々の備忘録

Making PC and Customization PC

Ubuntu Studio 14.04LTS 64-bit

Ubuntu Studio はマルチメディアに特化した Linuxディストリビュージョンです。USBメモリーや DVD-R等のライブメディアからインストールする段階で様々なマルチメディアパッケージを選択出来ます。

例えばサウンド、ビデオ、3Dグラフィックス、フォトグラフ等それぞれ作成や編集が出来るアプリケーションソフトが全て無償で提供されます。

Ubuntu Studioインストールパッケージオプション

  • ubuntustudio-audio
  • ubuntustudio-graphics
  • ubuntustudio-photography
  • ubuntustudio-publishing
  • ubuntustudio-video

上記パッケージに含まれる一部のアプリの設定や使い方は ubuntu Japanese Team Wiki の Ubuntu Studio Tipsで解説してあります。


また、これらのパッケージに含まれるアプリは完全フリーなソフトウェアのみでありそれ以外のプロプライエタリなソフトウェアやドライバ等は Ubuntu Studioインストール後に手動でインストールする事で使用出来ます。

もちろん Ubuntu Studioは Ubuntuの公式フレーバーなので Ubuntuリポジトリのアプリケーションパッケージを活用し普段使いのデスクトップとして使う事も出来ます。

但しインストール用の isoイメージサイズは 2.5GB(64bit版)と巨大で本家 Ubuntu 14.04LTS(64bit版)の 981MBを遥かに上回っています。

そのためインストール完了から最初のアップデート完了までハードウェア環境にもよりますが約1時間30分程かかります。(当方のサブPC にインストール時)

さらにインストールするためのストレージデバイス(HDD・SSD)の空き領域は 8.6GB以上必要となります。

新規インストールするなら HDDより SSDが良いです。HDDでは思った以上にもたつき感があり、例えば起動時間など Windows XPと同じかちょい遅いくらいです

ちなみに Ubuntu Studioと同じく Ubuntu公式フレーバーであり Xfce4をデスクトップマネージャー(環境)とする Xubuntu 14.04LTS(64bit版)の場合ストレージデバイスの空き領域は 5.6GB以上となっています。


Ubuntu Studio 12.04LTS を 14.04LTS にアップグレード

今回は 14.04LTS の新規インストールではなく現在使用中の 12.04LTS をサポート終了期限の 2015年4月を待たずにアップグレードしました。(2015/2)

ubuntu Wiki によれば、前回のリリース(Ubuntu Studio 13.10)からのアップグレードはバグのため推奨されていない様です

アップグレードはアップデートマネージャーから実行しました。

主な仕様 (14.04.1LTS)

  • 64bit
  • kernel 3.13 lowlatency
  • セキュリティサポート:2017年4月
  • 無料

下の画像は 12.04LTSを 14.04LTSへアップグレードした後のデスクトップのスクリーンショットです。

特にこれといった不具合もなくすんなりアップグレード完了しました。

アイコンテーマ・システムモニター・背景画像等 12.04LTSのデスクトップ設定が引き継がれています。

但し新規ユーザーを追加した場合右下の画像の様に 14.04LTSを新規インストールした時と同じデフォルトのデスクトップになります。

下の画像は 14.04LTSを新規インストールした時のデスクトップのスクリーンショットです。

こちらはデフォルトで下部パネルにドックランチャーが設定されています。

Ubuntu Studioと同じく Xfce4をデスクトップマネージャーとする Xubuntu 14.04LTS(64bit版)では下部パネルにドックランチャーは設定されておらずユーザー自身が手動で設定する様になっていました。

以下の画像はアップグレードの一連の流れです。当方の環境でアップグレードの完了まで約90分程かかりました。

デスクトップの画像4

fig1.リリースノート

デスクトップの画像5

fig2.アップグレードの準備

デスクトップの画像6

fig3.リポジトリ設定

デスクトップの画像7

fig4.アップグレード開始

デスクトップの画像8

fig5.ディスプレイマネージャ

デスクトップの画像9

fig6.不要パッケージ削除

この他にシステムから「カスタマイズ済設定ファイル」の置き換えの問い合わせがありますが「そのまま」を選択しました。

ブートローダー GRUB についてはシステムから問い合わせはありませんでした。

日本語入力

下の画像はアップグレード後の日本語入力を確認した時のスクリーンショットです。日本語入力も問題ありませんでした。

日本語 IMEに関連して ubuntu wiki-Ubuntu Studioで既知の問題として IBusにバグがあり IBusがインストールされた現行バージョンからアップグレードする場合は事前に IBusをアンインストールしておく様な事を書いてありました。

しかし管理人がこの事を知ったのは既にアップグレードした後でしたが今のところ Anthy・Mozc 共にこれといった不具合は出ていません。

なお Ubuntu Studioを新規インストールした場合はデフォルトで IBus-Anthyがインストールされデスクトップ上部パネルのキーボードアイコンから Anthyを選択するとすぐに日本語入力が出来ました。

2015年2月 当方のサブPC(実機)にて確認済

補足

今回のアップグレードにおいて2つのエラーがありました。

1つ目はアップグレードが完了した直後にパソコンを再起動したところ GRUBメニュー画面がタイムアウトした後に下記のようなエラーが表示されました。このエラーはその後もパソコンを起動する度に表示されます。

エラー:file not found
エラー:file not found
エラー:file not found
続けるにはなにかキーを押して下さい... _
 

下の画像は Ubuntu Studio 12.04LTSを 14.04LTSにアップグレードした直後にモニター画面に表示された実際の写真です

しかし このエラーが表示された数秒後にはブートシ-ケンスが開始され問題なく OSは起動しました。原因はよく判りませんがブートローダー GRUB を再インストールする事で解決しました。

端末から

 $ sudo grub-install --force /dev/sdb3(第2ストレージの第3パーティション)

を実行後パソコン再起動でエラー表示は出なくなりました。このエラーは環境に依るようです。

手持ちのノートPC lenovo ThinkPad x121e にインストールしている Xubuntuをアップグレードした時も同様のエラーが出ましたが Eeepc 1005HAにインストールしている Xubuntuのアップグレードでは出ませんでした。

2つ目は Ubuntu 12.04から頻発している例の「内部エラー」クラッシュレポートです。

下の画像はその時のスクリーンショットです。

これも原因は判りませんが 12.04LTSを使用していた期間に不具合が出る事もなかったので今回もクラッシュレポートを無効にします。

端末から

 $ gksu gedit /etc/default/apport

で gedit が起動したら下記のように

enabld=1 → 0に変更

編集後保存します。下の画像は編集後のスクリーンショットです。

以上でアップグレード完了です。

スプラッシュ画面(Splash Screen)の表示設定

パソコン電源 ONから OSが起動しログイン画面が表示されるまでの間ロゴタイプを使ったアニメーションやブートシ-ケンスの過程を表示しているのがスプラッシュ画面です。

の3パターンです。1.はデフォルトで表示されます。2.はブートローダー GRUB の設定ファイルを編集するだけで表示させる事が出来ます。

3.は今回実施していません。少しハードルが高そうなのでいつか時間がある時にでもやってみようと思います。

後もう1つ、なにも表示させないという選択肢もあります。GRUB設定ファイル /etc/default/grubに下記の様に記述します。(下の画像の赤線部を記述し水色線部はコメントアウトする)

端末から

 $ sudo nano /etc/default/grub
GRUB_CMDLINE_LINUX="nomodeset"

記述後保存したら忘れずにアップデートしておきます。

 $ sudo update-gurb

これで GRUBメニュー画面のタイムアウトからログインプロンプトが 2~3秒間表示した後ログイン画面が立ち上がるまでの間なにも表示されず真っ暗なままになります。

§1.OSオリジナルの画像を表示

敢えてここでOSオリジナルの画像に触れたのには訳があります。実はデフォルトのスプラッシュ画像には2種類あり、どちらが表示されるかはグラフィックスドライバに左右されます。

おそらく個々のパソコンのデバイスの影響も少なからずありそうです。

グラフィックスドライバがオープンソースな「X.OrgXserver--Nouveau disply driver」であれば写真fig9 のようなよく見るスプラッシュ画像が表示されます。

しかし「nVIDIA」や「AMD Radeon」といったプロプライエタリなグラフィックスドライバをインストールすると下の写真の様なスプラッシュ画像が表示されます。

現在 サブPC に載せているグラフィックスボードは GALAXY GF PGT630/512D5で搭載しているグラフィックスチップは GeForce GT630です。エントリークラスのボードですが Compizのエフェクトをバリバリに効かすには十分な性能です

こでオープンソースなグラフィックスドライバの時のスプラッシュ画像が表示するように設定します。

ではまずモニターの画面解像度を確認します。

パソコンの電源 ONして GRUBメニュー画面が表示されたらキーボードの c キーを押します。すると GRUBのコマンドプロンプトが表示されるので

 grub> vbeinfo

を実行すると現在のモニターで使用可能な画面解像度のリストが下の写真のように表示されます。

リスト一覧の左側の「*」は GRUBで設定している今現在の解像度(1024x768)です。モニターの解像度は 1280x1024なのですが、この値にすると文字が小さく見づらいのです。

この画面解像度リストの中で最も高い解像度である「1280x1024x32」をメモしておきます。後ほど GRUBの設定ファイルに記述します。

下の画像はデフォルトの GRUB設定ファイルのスクリーンショットです。

デフォルトでは画面解像度のコード部分は下記の様にコメントアウトされているのでモニター最大の解像度で表示されます。

#GRUB_GFXMODE=640x480
 

に RAMベースの初期ファイルシステムである /boot/initramfs(イニシャルRAMディスク)を使ってスプラッシュ画像を表示させます。

RAMベースの初期ファイルシステム|rootのファイルシステムを特定のパーティションにマウントするため最初にメモリー内にロードされるファイルシステムのこと。/boot/vmlinuz等

つまり /etc/initramfs-tools/conf.d/ ディレクトリ内に splash設定ファイルを作成しこれを「initramfs」にアップデートします。デフォルトでは splashファイルは存在しないので新規に作成します。

端末から

 $ sudo nano /etc/initramfs-tools/conf.d/splash
FRAMEBUFFER=y

を記述し保存(fig7)したら initramfs にアップデートします。

端末から

 $ sudo update initramfs -u (最新バージョンのカーネルにのみ適用します)

次に GRUB設定ファイルに先ほどメモした解像度を記述します。

端末から

 $ sudo nano /etc/default/gurb
GRUB_GFXPAYLOAD_LINUX=1280x1024-32

を記述し(fig8赤線部)保存したら GRUBをアップデートします。

 $ sudo update-gurb

ついでに下記も記述(fig8緑線部)しました。

GRUB_TIMEOUT=5                 (GRUBメニューの表示時間 5秒)
GRUB_DISABLE_OS_PROBER=true  (その他の OSを検索・表示しない)

アップデート後パソコン再起動すればスプラッシュが表示(fig9)されます。

デスクトップの画像17

fig7.splashファイル作成

デスクトップの画像18

fig8.GRUBに解像度を記述

デスクトップの画像19

fig9.スプラッシュ表示

以上で設定完了です。

§2.ブートシ-ケンスをリアルタイムに表示

ブートシ-ケンスつまりブートローダー GRUBが特定のパーティションにインストールされた rootファイルシステム内の /boot/grub2 に制御を渡して以降、各サービスが起動完了するまでの様を表示させます。

数年前までは Linux OSの殆どがこの表示でした。当時9割方静止している様な Windowsのスプラッシュ画面しか知らなかった管理人には新鮮で率直にカッコ良いと思いました。

その時刷り込まれたのか分かりませんが現在でも必ずこの表示に設定してしまいます。殆ど停止しているようなスプラッシュを見ていると待っている時間が長く感じるのではないでしょうか。

設定は簡単です。たった一行のコードをコメントアウトするだけです。

端末から

 $ sudo nano /etc/default/gurb

下記の行の先頭に#を入れます。(fig10赤線部)

#GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="quiet splash"

また、モニターの解像度は1280x1024なのですがこれだと文字が小さく見ずらいので 1024x768に設定します。(fig10緑線部)

GRUB_GFXMODE=1024x768

記入したら忘れずにアップデートします。

端末から

 $ sudo update-gurb

アップデート後、パソコン再起動すればブートシ-ケンスがモニター画面の上から下に向かって流れるように表示(fig11,12)されます。

fig11と fig12で字体の違いが分かると思いますが、これはrootファイルシステムがマウントされる前と後の違いのようです。

デスクトップの画像20

fig10.GRUB設定ファイル

デスクトップの画像21

fig11.ブートシ-ケンス1

デスクトップの画像22

fig12.ブートシ-ケンス2

雑感

今回スプラッシュ画面設定をしたubntu studioをインストールしているデバイスは、2.5インチの 5,400rpmというスローな HDDです。故にブートシ-ケンスの表示は読み取れる程度の速さで流れて行きます。

しかしこれが SSDとなるととても読み取れるような速さではありません。あっと言う間にログイン画面に到達してしまいます。

手持ちの Dell OptiPlex 755 SF にインストールしている Ubuntu 12.04LTSにいたっては GRUBメニュー画面のタイムアウトから 3~4秒でログイン画面が表示されます。こうなるとスプラッシュなど無くてもよい事になります。

SSDや 4K-HDDが主流の昨今スプラッシュはどうなって行くのでしょうか。

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