サブPC ~自作機
もともと、この自作機がメインPCでした。
マザーボードや電源ユニットは、現在のメインPCに移設したので、このサブPC用に、型落ちのマザーボード(LGA1156)と中古品のCPUを購入しました。
メインPC同様、静音と正圧換気を考慮した構成にしています。具体的には、PCケースファンを静音タイプのファンに交換し、PCケース内に制振材と吸音材を貼付けました。
PCケース内のエアフローコントロールは、メインPCと同じ発熱しないタイプのファンコントローラーを使用しています。
PSU «ATX電源ユニット»
Owltech Seasonic [Xseries] 主な仕様
- 型番:SS-560KM
- 定格出力:560W
- ファン:120mm、山洋電気製 静音(サイレントシリーズ)
- ファン回転数:0~1,850rpm(ハイブリッド・サイレントファンコントロール)
- 対応CPU(Intel):Corei5、Corei7、 Core2、 PentiumD、 Pentium 4
- 対応CPU(AMD):Dual Core/Athlon 64 X2、 Athlon XP、 AthlonII、 Phenom、 PhenomII
- 外形寸法:幅150x奥行160x高86mm
- 重量:未確認
- 80PLUS:ゴールド
- PFC:アクティブPFC
Explanation
Seasonic Electronics社(台湾)製の静音タイプ電源です。新品です(2010年10月発売)
この電源ユニットには、ハイブリッド・サイレントファンコントロール機能が搭載されています。負荷制御と温度制御のハイブリッドです。
制御の内訳は
雰囲気温度25℃以下または負荷20%以下 | ファン停止 | - |
---|---|---|
負荷20~50%の時 | ファン低速回転 | 負荷20%超時の回転数不明 |
負荷50~100%の時 | ファン可変回転 |
の3パターンです。
その他多くの電気的、熱的保護回路が搭載されています。他の格安電源の様に発火やコンデンサの破裂、液漏れなどのリスクは各段に減ると思いこの電源ユニットを選びました。
価格はけっこうな値がついていますが品質に見合った妥当な価格だと思います。
ところで電源ユニットの取付けの方向は、安全性やエアフローの点から「ファンが下側」になるのが正解です。
そもそもメーカーが自社製品のロゴマークが逆さになるようなデザインをする事はないでしょう。
マザーボード
ASUS P7P55D-E LX 主な仕様
- 型式:P7P55D-E LX
- CPUソケット:LGA1156
- ベースクロック:133MHz
- チップセット:Intel P55 Express
- メモリー:DDR3-DIMM (1600/2200/)1333/1066DRAM、最大16GB
- シリアル ATA
- Intel P55 Express チップセット:SATA 3Gb/sポート x6
- JMicron:e SATA 3Gb/sポート x1
- Marvell:PCIe SATA 6Gb/sポート x2
- IDE拡張ウルトラ ATA:133Mb/s
- VGAスロット:PCI Express 2.0 x16 1本
- LAN:Realtek 8112L Gigabit LAN 1ポート
Explanation
このマザーボードを選んだ理由はファームウェアが「Legacy BIOS」であることと IDE拡張ウルトラ ATAがサポートされていることです。(2010年4月発売)型落ちですが新品です。
今のところ効率よくマルチブートを管理するためには UEFI ではなく Legacy BIOS でなければならないのです。IDE拡張ウルトラ ATAは、IDEインターフェイスのHDDを廃棄または売却する時「ゼロFILL」するため必要なのです。
CPU
Intel Core i5 750 Lynnfield revision:B1 主な仕様
- 動作周波数:2.67GHz
- ターボ・ブースト周波数:3.2GHz
- コアの数/スレッド:4/4
- L2キャッシュ:4x256KB
- L3キャッシュ:8MB
- 最大TDP:95W
- Tcase(ケース許容温度):72.7℃
- S-spec:SLBLC
Explanation
中古品です。(2009年9月発売)
下の画像は Ubuntuのシステム詳細のスクリーンショットです。Windowsでいうとコンピュータのプロパティです。
下の画像 fig 1は UbuntuのCPU-Zとシステムモニター Conkyのスクリーンショットです。fig 2は Windows XP上の CPU-Zです。
UbuntuのCPU-Zのプロセッサーネームが Core i7 になっているのはなぜだろう。
メモリーモジュール
CORSAIR XMS3 主な仕様
- 型番:CMX4GX3M2B2000C9
- メモリー容量:4.0GBx4枚
- メモリー規格:DDR3 SDRAM
- メモリーインターフェイス:UDIMM 240-pin
- モジュール規格:PC3-16000(DDR3-2000)
- MXP対応
- Hynixチップ搭載
Explanation
このメモリーモジュールは、SK Hynix(旧Hynix Semiconductor)社製チップが搭載されています。新品です(2010年12月発売)
ヒートスプレッダー付のメモリーモジュールですが、モジュール間のスキマは十分あります。
メモリーのタイミングテーブルは #3(666MHz 9-9-9-24)に設定しています。
グラフィックスボード
GALAXY GF PGT630/512D5 主な仕様
- 搭載チップ:NVIDIA GeForce GT630
- メモリー容量:512MB
- メモリー規格:GDDR5
- CUDAコア:96unit
- バスインターフェイス:PCI-Express 2.0 x16
- バス幅:128bit
- 補助電源:なし
- 消費電力:65W
- 外形寸法:幅155×長125×高37 mm(2スロット占有)
Explanation
新品のグラフィックスボードです。このグラフィックスボードにした理由は特にありません。下の画像はマザーボードにセットした様子の写真です。
このサブPCを組立てる時、グラフィックスボードを買いに近所のパソコンショップに立ち寄った際、たまたま置いてあったものです。(2012年5月発売)
CPUクーラー
SCYTHE SAMURAI ZZ RevisionB 主な仕様
- 型番:SCSMZ-2100
- ファン回転数:300~2,500rpm、PWM
- ファン寸法:92×92×25mm
- ファン風量:6.7~55.55CFM
- ファン静圧:0.75~2.29mmH2O
- コネクタ:4PIN
- ヒートシンク:アルミ合金製
- ヒートパイプ:φ6mmx3本
- 全体寸法:94x122x高さ94mm
- 重量:0.495kg
- 適応ソケット1:intel 478/775/1366/1156/1155
- 適応ソケット2:AMD 754/939/940/AM2/AM2(+)/AM3
Explanation
2012年発売のCPUクーラーです。新品です。
2016年7月現在販売終了しています。サーマルグリスの塗り方など
SSD
OCZ AGILITY 4 主な仕様
- 型番:AGT4-25SAT3-64G
- サイズ:2.5inch
- 厚さ:9.3mm
- インタフェース:Serial ATA
- インタフェース速度:6.0Gb/s
- コントローラ:Indilinx Everest 2
- 記憶容量:64GB
- コンポーネント:MLC(Multi-Level Cell)
- 発売日:2012年6月
Explanation
OSは Linuxディストリビュージョンの Ubuntu 20.04 LTS 64-bitをインストールしています。
HDD 1|「スゴ録RDZ-D800」のHDDをゼロFILLした
このHDDは SONY製DVDレコーダー「スゴ録RDZ- D800」(2006年発売)に載っていたHDDです。ある日突然電源が入らなくなってしまいました。
"スゴ録RDZ- D800の突然死" は既知の事実の様です。レコーダー本体は冷却ファンとこのHDDを取外して捨てました。
Seagate Barracuda 7200.9 主な仕様
- モデル:ST3400833AS
- サイズ:3.5inch
- 回転数:7,200rpm
- インタフェース:Serial ATA
- インタフェース速度:3.0Gb/s
- 記憶容量:400GB
- キャシュ:4MB
- セクター:512Byte
- 重量:0.71kg
下の画像は「スゴ録RDZ- D800」の上蓋を開けた状態の写真です。
レコーダーから取外したHDDをダメ元でサブPCに接続してみると BIOSが認識してくれました。
しかし OS(Windows、Linux)からは認識出来ませんでした。どうやら特殊なファイルシステムの様です。
下の写真の最上部に取り付けているのが今回の HDDです。
そこでこの HDDを「ゼロ FILL」して使える様にしてみました。
後日ネットオークションで落札したジャンク品の RDZ-D800で同じことを試しても問題ありませんでした
ゼロFILL後はデモンストレーション用や資料用に Linuxディストリビュージョンを数種類インストールしています。
通常こういったデモンストレーション用や資料用には仮想PC上にインストールするのが普通だと思います。しかし実機と仮想PCで挙動や表示の異なる Linuxディストリビュージョンも存在します。
また実機の方が動作速度も速いですし、どうせ実機でのテストも必要なのですから「実機でマルチブート」の方が使い勝手が良いのです。
§1.HDDを ゼロFILL する
使用ツール | Sea Tools for DOS v2.2 | 無料 |
---|
では「スゴ録RDZ- D800」から取外した HDDをパソコンに取付けます。
次にBIOSでこのHDDが認識されているのを確認します。なお、このHDDは特殊なファイルシステムらしく Windowsや LinuxなどのOS上からは認識されないので OSに依存しない DOSバージョンの Sea Tools を使用します。
まず Seagateのホームページから 2014年現在の ISOイメージファイルである「SeaTools DOS 223ALL.iso」をダウンロードし CD-Rに焼いて(コピーではない)ブータブルCDを作成します。
後はこのブータブルCDから Sea Tools for DOS を起動し画面上の手順に従ってゼロFILLを実行します。
下の画像は「Sea Tools for DOS」メニューの「Full Erase」を選択してゼロFILLを開始した直後の写真です。
ゼロFILL終了までの時間はこのサブPCの環境でおよそ2時間でした。
§2.ゼロFILL 後のパーティションの状態
ゼロFILLが終了した状態で NTFSや ext4などでフォーマットすればデータ保存用の HDDとして使用出来ますが OSの起動 はできません。
HDDの先頭512バイトのMBR(マスターブートレコード)もゼロFILLされてしまうからです。従って MBR にブートストラップローダとブートシグニチャを記述する必要があります。
下の画像は、パーティションの状態を見るため「fdisk」コマンド実行後のスクリーンショットです。
今回ゼロFILLした HDDと比較するため別にもう1台のパーティション作成済みの HDDの合計2台のHDDをサブPCに載せています。
ピンク色の枠がパーティション作成済みの HDD(Disk /dev/sda:160GB)です。
水色の枠が今回ゼロFILLした HDD(Disk /dev/sdb:400.1GB)です。パーティションがない事が分かると思います。
つまり、これでHDDが初期化された訳です。
§3.MBRへブートシグニチャ等を記述
使用ツール | Partition Manager 11 Pro | 有料 |
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MBRへの「ブートストラップローダ」と「ブートシグニチャ」の記述は「Partition Manager」を使いました。
Partition Managerは有料のアプリですが日本語でLinuxのファイルシステム(ext3、ext4など)も扱えるので重宝しています。
下の画像は Partition Managerがブータブルメディアから起動した時のスクリーンショットです。
Partition Managerは Windows用のアプリなので一旦 Windowsにインストールして CD-Rや USBメモリスティックでブータブルメディアを作成します。
実際に使用するのはブータブルメディアです。
これは、余計なトラブルを避けるためOSに依存しない形で作業するためです。
下の画像はゼロFILL完了直後のMBR(マスターブートレコード)を Ubuntuの端末エミュレータでダンプ表示した時のスクリーンショットです。
offset:00000010~000001f0行の表示が「*」で省略されていますが、実際は「0」で埋められています。
下の画像はブートストラップローダとブートシグニチャ記述後のMBRをダンプ表示した時のスクリーンショットです。
offset:000001C0と000001d0の行の表示が「*」で省略されていますが、実際は「0」で埋められています。
つまり HDDにパーティションを作成すればここにその情報がパーティションテーブルとして書き込まれる訳です。
また、offset:000001f0行の最後尾の「55 aa」が所謂ブートシグニチャと言われるものでこの記述がないとOSは起動しません。
従ってこの HDDは OSが起動出来るブータブルな HDDになっていると言うことです。後はパーティションを作成してOSをインストールするだけです。
§4.パーティションを作成
使用ツール | GParted(Gnome Partition Editor) | 無料 |
---|
パーティションの作成には、パーティションエディタ「GParted」を使用します。
下の画像は起動時の GRUBメニュー画面です。
GPartedの配布サイトからISOイメージファイルをダウンロードして、USBメモリースティックやCD-Rでブータブルなライブメディアを作成します。
作成方法は GPartedのライブメディアを作成 へ
GRUBメニュー画面の GParted Live(Default Settings)を選択することで GPartedが起動します。
下の画像は、パーティション作成後の MBR をダンプした時のスクリーンショットです。
- 色なし:マスターブートストラップローダ
- 黄色:第1パーティションテーブル
- 紫色:第2パーティションテーブル
- 水色:第3パーティションテーブル
- 緑色:第4パーティションテーブル
- 青色:ブートシグニチャ
基本パーティションが4っあるのが判りますね。この内の1つを拡張パーティションにして、4っ以上のパーティションを設定している訳です。
下の画像はパーティション作成後に fdiskコマンドを実行した時のスクリーンショットです。
ピンク色の枠が、今回パーティションを作成したHDDです。
その他、青色の枠がSSD1で、緑色はSSD2です。
実はライブCDを作成しなくても Ubuntuやその他のLinuxディストリビュージョンのインストールCD、DVDにも GParted は同梱されているので、そちらを使ってもよいです。
ただし、起動時間や動作速度は圧倒的にライブCDの方が速いです。体感的には 10倍以上違います。
§5.マルチブート
今回ゼロFILLを実施したHDD1に対して、下記構成にてマルチブートを構築しています。
☑ パーティションの構成
HDD 1|セクターサイズ(論理 / 物理)512bytes / 512bytes
パーティションテーブル:MBR | システム | ファイルシステム |
---|---|---|
ブートストラップローダ | MBM ≪ Multipule Boot Manager ≫ | - |
第1パーティション | Cent OS 6.5 x86 | ext4 |
第2パーティション | ubuntu 12.04LTS x86_64 | ext4 |
第3パーティション | xubuntu 12.04 LTS x86_ 64 | ext4 |
拡張パーティション | Linux Been | ext4 |
下の画像はチェーンローダー MBM(Multiple Boot Manager)起動後の OS選択画面の写真です。
ピンク色の枠内が、このHDD1にインストールしているOSです。
黄色の枠内がSSD1(OCZ AGILITY 4)で緑色の枠内がSSD2(OCZ AGILITY 3)です。
MBMは、各SSDおよびHDDのMBR(マスターブートレコード)にインストールします。
MBMが認識できるHDD(SSD)は合計4台までです。また USB接続デバイスは認識はしますがインストールできません。
実は BIOSの起動順設定メニューで第1ブートに設定しているHDDまたはSSDにだけインストールしてもマルチブートは出来ます。
その場合 OS選択画面上のOS名がデフォルトの名称(ファイルシステム名)に固定されてしまうのでリネームは出来ません。
HDD 2
seagate Momentus 5400.6 主な仕様
- モデル:ST9160301AS
- サイズ:2.5inch
- 厚さ:9.5mm
- 回転数:5,400rpm
- インタフェース:Serial ATA
- インタフェース速度:3.0Gb/s
- 記憶容量:160GB
- キャシュ:8MB
- セクター:512Byte
- 重量:93.5g
Explanation
元々は、ASUS製のネットブック「EeePC 1005HA」に付いていたHDDで OSはWindows XP Home Editionがインストールされていました(2009年5月発売)
Windows XPのサポート終了を機に、SSDに換装したので使い道がなく保管していました。
今回 Windows XPを復活させた理由は、このサブPCには Linux OSのみインストールしていたのですが「CrystalDiskMark」「GPUZ」「CINEBENCH」など各デバイスの仕様の表示やベンチマークテスト用のソフトを使う必要が出てきたためです。
そこでWindows XPの復活にあたって Windows XP Home Editionではなく Windows XP Professional sp3(32bit)をクリーンインストールしました。
ついでに、このHDDのベンチマークを
IDE モード | パーティション開始位置セクター 63 |
---|---|
AHCI モード | パーティション開始位置セクター 63 |
AHCI モード | パーティション開始位置セクター 2048 |
の3パターンで取ってみました。
以下がその結果です。
ベンチテストの結果を見ると「AHCIモード+パーティション開始位置セクター 2048」が最も良いスコアになりました。
4KセクターHDDやSSDでなくても、第1パーティションの開始位置は2048セクターがよいことがわかりますね。
体感できるほどの差ではありませんが参考まで。
Optical Disc Drive
LG HL Data Storage GH24NS90 主な仕様
- インターフェイス:Serial ATA
- インタフェース速度:不明
- 種別:DVD-RAM/±R[DL]/±RW
- バッファ:1.5MB
新品バルクです(2009年発売)
PCケース
ANTEC THREE HUNDRED AB 主な仕様
Antec社製のPCケースです。モデル名の末尾に「AB」が付いた、アブソリュートブラックモデルという日本限定品です。
ケース内部までウレタン塗装されています。(2009年9月発売)
- 対応マザーボード規格
- ATX、MicroATX、Mini-ATX
- 外形寸法
- 幅205×奥行465×高458mm
- ドライブベイ
- 5inch×3
- 3.5/2.5inch×6
- 2.5inch×1(ケース底面)
- 拡張スロット
- 7本
- ファン(ケースに付属)
- 天面140mmx1ヶ、後面120mmx1ヶ
- ファン(増設スペース)
- 前面120mmx2ヶ、側面120mmx1ヶ
- フロントインターフェース
- USB2.0x2
- ヘッドホンx1、マイクx1
- 電源ボタン
- リセットボタン
- 重量
- 7.2kg
- 付属品
- パーツ取付け用ネジ類、取扱説明書
- その他(別売り)
- 5inchベイ→3.5inchベイ変換アダプタ
Explanation
ケース付属の冷却ファンは 140mmと120mmが各1台で、2台とも「TriCoolファン」という3段階の回転数調節機能付です。
ファン回転数の切換えはケースのサイドパネルを外してファンに付いているスライドスイッチの「H」「M」「L」で設定します。
このPCケースの購入時、別途Antec社製の120mmTriCoolファンを2台購入してフロント部に設置していましたが今回静音化のため、静音タイプのファンに換装しました。
天板部の140mmファンも静音化のため取外してブラインドプレートで開口部を埋めました。
また、このPCケースはマザーボード取付け板とサイドプレートのスキマがないので裏側配線ができません。したがってストレージ付近のエアフローを考慮した配線処理に少々手間が掛かります。
元々このPCケースはメインPC用に使っていたケースです。メインPC用にPCケースを新調してマザーボードや電源ユニットなど中身はほとんど移設したので、このPCケースをサブPC用にしました。
メインPC移設
下の画像はメインPC移設中の写真です。
左側の立っているのが新メインPCケース「Fractal Design社製 DEFINE R4」です。
右側の寝かせているのが旧メインPCケースです。つまり今回のサブPC用ケースになります。
防振材・吸音材
Fractal Design| NIOSE ABSORBER KIT 主な仕様
(単位:mm)
- 180x400/厚さ16.5(防振部:2.5+防音部:14)~2枚
- 350x400/厚さ16.5(防振部:2.5+防音部:14)~1枚
- 350x400/厚さ2.5(防振部:2.5)~1枚
ー以下取説より抜粋ー
2種類の素材を組み合わせ、PC内部のFANや各種ドライブ等から発生する振動や駆動音を吸収し、外部への音漏れを防ぎます。
厚さ2.5mm素材は振動、共振を抑え、厚さ14mm素材は騒音を吸収します。
ー以上ー
Explanation
この防振・防音材は現在メインPCのケースとして使っている、Fractal Design(フラクタルデザイン)製のPCケース「DEFINE R4」に標準装備されているものと同じものだと思って選びました。
貼り付けた場所は、両サイドパネルの裏面と天板の裏面です。
ケースを叩いた時の音を比べてみると、貼り付け前はカンカンで貼り付け後はボコボコといった感じの音なりました。
この防振・防音材の難点は、厚さ2.5mmの防振部が硬く、切断するのにコツがいることです。
カッターやハサミではどうやっても切り口が汚くなってしまいます。シャーリングマシンでもないと綺麗に切断するのは難しいです。
もう1つ困った事に、防音部のスポンジの表面に貼ってある布が部分的に剥離して、下の写真のように浮いてしまいました。
実は、自宅サーバー機にも同じ製品を使っているのですが、同じ様に剥離しています。しかし DEFINE R4 ではこのようなことにはなっていません。
と言うことは DEFINE R4 の物とは全くの別物なのですね。残念。
ケースファン
ainex CFZ-120GL 主な仕様
- サイズ:120x120x25mm
- 回転数:900rpm
- 風量:47.23CFM
- 静圧:非公開
- ノイズレベル:10.8db
- コネクタ:3PIN
Explanation
静音と正圧換気実現のため ainex社製の静音タイプのファンに換装しました(2012年5月発売)
前面に吸気用2台、サイドパネルに吸気用1台、後面に排気用1台の合計4台取付けています。
この 4台のファン回転数をファンコントローラを使って制御しています。
旧・後面ファン:排気
Antec|TriCool 120mm
- サイズ:120x120x25mm
- 回転数:1,200rpm、1,600rpm、2,000rpm
- 風量:39CFM、56CFM、79CFM
- 静圧:非公開
- ノイズレベル:25db、28db、30db
- コネクタ:3PIN
PCケース付属の排気用ファンです。回転数の設定は、ファン本体に付いているスライドスイッチの「H」「M」「L」で切換えます。
旧・天面ファン:排気
Antec|TriCool 140mm
- サイズ:140x140x25mm
- 回転数:700rpm、1,100rpm、1,500rpm
- 風量:47CFM、66.8CFM、94.6CFM
- 静圧:非公開
- ノイズレベル:19.4db、21.4db、31.8db
- コネクタ:3PIN
PCケース付属の排気用ファンです。回転数の設定は、ファン本体に付いているスライドスイッチの「H」「M」「L」で切換えます。
旧・前面ファン:吸気
Antec|TriCool 120mm Double Ball-Bearing
- サイズ:120x120x25mm
- 回転数:1,200rpm、1,600rpm、2,000rpm
- 風量:39CFM、56CFM、79CFM
- 静圧:非公開
- ノイズレベル:25db、28db、30db
- コネクタ:3PIN
PCケース本体とは別売りのファンで 2台取付けていました。回転数の設定はファン本体に付いているスライドスイッチの「H」「M」「L」で切換えます。
PCケース排気ファン能力簡易算定
PCケースファン選び方のヒント
PCケース排気ファン選定にあたって、管理人がファン性能判定基準としている方法を紹介します。
また、ファン選定いおいて風量-静圧特性曲線の重要性を少し述べてみました。こと自作パソコンケース向けファンに限れば、どうも風量-静圧特性が蔑ろにされている印象を受けるからです。
風量-静圧特性曲線を語らずして、風量重視だ、静圧重視だ、正圧換気だ、負圧換気だなどと並べ立てても説得力がないと思います。
排気ファン能力簡易算定(自己流)
PCケース内の空気を単位時間あたり何回換気できるかを簡易的に算定します。ここでは圧力一定、圧力損失無視します。ケース内温度は t=40℃と仮定します。
ケース容積 | Qn=0.205x0.465x0.458m= 0.0437Nm3(ノルマルリューベ) |
---|---|
ケース内空気量 | Q=Qnx{(273+t)/273}=0.0437x{(273+40) / 273}= 0.050m3 |
排気ファン風量 | Qf=47.23x0.028=1.322m3/min (1CFM= 0.028m3/min) |
排気にかかる時間 | Et=Q/Qf=0.050/1.322= 0.038min (約2.3秒) |
換気回数 | Vn=3600/2.3秒= 1565回/h |
ここで、ケース内空気の排気にかかる時間(Et)の値が2秒以内のファンを選ぶようにしています。但し、これはあくまでも自分の中だけの判断基準です。
今回のこのファンは、少し能力不足気味ですね。元のファンに戻そうかな
風量-静圧特性曲線
次に圧力損失について考察します。圧力損失(静圧)はPCケース内の一定の空気量(風量)を持つ空気の流れを阻害する力です。システムインピーダンスとも言います。
具体的には、HDDベイ、機内配線、CPUクーラー、PCI拡張ボード、PCケース内壁など要するにPCケース内の全てです。
使用するファンが発生する静圧が、PCケースの圧力損失を下まわると、どんなに大きな風量であってもPCケース内の空気は1mmも動きません。
ファンの持つ静圧の値は一定ではなく、風量の値によって変化します。この静圧と風量の関係を表わしたものを「風量-静圧特性曲線」といいます。
下の写真は、自宅サーバー機のCPUクーラーに使っている山洋電気製ファンのパッケージに表示されている「風量-静圧特性曲線」です。
右下がりの曲線の下側の領域がファンの持つ性能です。(吹き出しは、管理人が書き加えたものです)
本来ファンを選定するには、「必要風量」と「圧力損失」を算出して「風量-静圧特性曲線」で使うファンを決定するものです。
ところが巷にあふれる殆どのパソコン用ファンに「風量-静圧特性曲線」の表示はありません。
PCパーツメーカーや商社のホームページにも、調べた限りでは、「風量-静圧特性曲線」を掲載しているところは海外も含め1社もありませんでした。
つまり、ここらあたり(風量-静圧試験をやらない)でコストを抑えているのでしょうね。
ちなみに「風量-静圧特性曲線」を公開しているのは、当然ですが工業製品を製造販売している企業だけです。
最大風量や最大静圧だけ表示されても「このクルマは200馬力です」程度の意味しかありません。もう一度写真の「風量-静圧特性曲線」を見てください。最大風量の時、静圧は0です。最大静圧の時、風量は0です。
ちょっと話はそれますが、ファン1台を2台に増設する場合、並列にならべると(PCケースのフロント部など)風量は2倍になりますが、静圧は1台の時と同じです。直列にならべると(サイドフロー型CPUクーラーなど)静圧は2倍になりますが、風量は1台の時と殆ど同じです。参考まで。
ファンコントローラ
Fractal Design ADJUST 108 主な仕様
- 型番:FD-FC-ADJ-108-BL
- チャンネル数:6ch
- 定格:36W/1ch
- 電圧:5~12V
- 電源コネクタ:SATA/MOLEX
- ケーブル長さ:600mm
- サイズ:5.25inch
- 重量:0.26kg
Explanation
PCケース内のエアフローを弱正圧にコントロールするため購入しました。
ケース内の掃除が面倒なのです。
他社製のコントローラも検討したのですがヒートシンクの付いていない、つまり「発熱しない」タイプで 6chの物は見つけることが出来ませんでした。
発熱しないタイプのコントローラなので下の写真のように温度や回転数などの表示はありません。
なるべく PCケース内に熱源を入れたくないのです。メインPCに取付けている物と同じ物です。